人とよりそうひらかれた病院
緩和ケア

WHO(世界保健機構)では「緩和ケアとは、患者と家族の苦痛を早期に同定し適切に対応することで、患者と家族の生活の質(Quality of Life)を改善すること」と定義しています。このことをふまえて私たちは、がん治療のすべての期間において、患者さんとご家族(患者さんを大切に思っている方たち)の苦痛からの解放を目指すケアと考えています。そして、患者さんが主人公としての人生の物語性を大切に考え、優しさと思いやりのあふれる緩和ケアの実践に努めていきたいと考えています。

当院の緩和ケア外来・緩和ケア病棟・緩和ケアチームの特色

私たちの緩和ケアの目的は、二つあります。一つは、がん治療のすべての期間において、患者さんとご家族の苦痛をできるだけ和らげることです。もう一つは、残された限りのある時間をできるだけ有意義に過ごせるようにすること、そして苦しむことなく静かに最期を迎えられるようにすること、と考えています。

がんの治療中の患者さんには、その診療科の医師と協力して苦痛の緩和をすることで治療の継続に努めます。積極的ながん治療を終えた患者さんには、緩和ケアにスムーズに移行できるように心がけています。

自宅療養中の患者さんの場合、緩和ケア外来に通院しながら苦痛症状の緩和を行います。苦痛症状のコントロールが外来通院では難しくなってきた場合には、緩和ケア病棟への入院で対応します。症状が和らいだら再び自宅へ戻り外来通院することができます。入院中の患者さんの場合、がんの治療中であればその診療科の病棟で、積極的ながん治療を終えている患者さんの場合は緩和ケア病棟で対応しています。

当院の緩和ケア病棟は2010年5月に開設されました。そこでは入院生活上の制約をできるだけ減らし、患者さんがその人らしい尊厳を保つことができ、心地よく過ごせるように心がけて環境整備をしています。

がんを抱えている患者さんには、さまざまな苦痛が混在しそれぞれが複雑に絡み合います。このように一人の患者さんが抱える苦痛のことを全人的苦痛といい、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの四つの面で評価しケアの方法を検討します。身体的な苦痛とは、痛みや息苦しさ、だるさなどの症状のこと。精神的苦痛とは、不安や気分の落ち込み、いらだちなどの心の辛さのこと。社会的苦痛とは、病のために仕事を失うこと、そのために生じる経済的な問題、家庭や職場、地域での役割を果たせなくなったことから生じる心の辛さのこと。スピリチュアルペインとは、病を患ったときに改めて感じる自己の存在価値や人生の意味、病を患った理由(例えば、何らかの罰なのか)などから生じる心の辛さのことをいいます。

私たちは、身体的苦痛を和らげるだけでは患者さんが抱える苦痛を十分に緩和することはできないと考え、多職種で構成するチームで、それぞれの専門性を活かしたケアを行っています。私たちのチームは医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床心理士・リハビリ療法士・社会福祉士・ボランティアなどで構成されています。そして質の高い緩和ケアを実践するために、薬物療法のみならず栄養療法・運動療法にも力を入れています。

緩和ケア病棟への入院の対象になる方

原則は、①・②を満たす方を対象としていますが、個々のケースで状況が異なりますので、緩和ケア外来でご希望をお聞きしています。

入院までの流れ

まずは地域医療連絡室(072-641-5968)までお問い合わせください。
患者さんもしくはご家族と私たち医療スタッフが緩和ケア外来で面談し、入院加療が適切であるといった合意が得られましたら入院の調整を始めます。 なお、患者さんが病状により来院できない場合は、本人のご希望や状況をよく把握している方が代理で受診してください。

入院にあたってのお願い

当院は敷地内全面禁煙です。

当院の面会時間は12時から20時ですが、患者さんの状態により時間外でも面会は可能です。入院生活上の制約をできるだけ減らし患者さんが心地よく過ごせるようにと考えていますが、患者さんの負担にならないよう、また他の患者さんの迷惑にならないようにお願いします。

患者さんとご家族を支えるスタッフ

緩和ケアの専従医師・がん専門看護師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床心理士・リハビリ療法士・社会福祉士・ボランティアなどのスタッフがおり、それぞれの専門性を活かしたケアを行っています。ボランティアはお茶会や季節の行事の開催、アロママッサージなどの活動をしています。

病室・病棟の設備

個室( 室)・二人部屋(1室)・三人部屋( 室)・四人部屋( 室)があり、各部屋にテレビ・冷蔵庫・クローゼット・トイレ・洗面台があります。病棟にはディルーム・家族部屋(和室1室・洋室1室)・マッサージチェア・新聞の販売機があります。

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